おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

息子が怪我をした長い一日

 
昨日、所用のために会社をお休みし、用事を済ませた後に昼食を食べていたら、学童から電話がありました
 
「息子君が転んで手をついた際に、ガラスで指を切りました。応急処置で止血はしていますが、何度か確認しても出血がなかなか止まらないので縫う必要があるかもしれません。お迎えに来れますか?」
 
という一大事でした。
 
 
すぐに学童へ迎えに行き、息子と娘を連れて保険証を取りにまずは家に帰りました。息子はそんな怪我をしているというのに意外と普通で、「痛い?」と聞いても「大丈夫」とそればかり。私もこれなら大したことないだろう、近くの外科へ行けばあっさり「縫わなくて大丈夫」と言われて帰されるだけかな、なんて思っていたのです。
 
 
「留守番して待ってる」という娘を置いて、暖かかったので上着も着ずに、まずは近くのS総合病院へ行きました。窓口で事情を伝えると、「うちは整形外科しかないので、今先生に処置出来るか聞いてきますね」との返事。しばらく待っていると整形外科の看護師さんがいらして、私たちにこう言いました。
 
 
看「お子さん、いくつですか?」
私「今8歳です。」
看「先生が、縫うことになったら麻酔の注射を打つ必要があるけど、すごく痛いから息子さん耐えられるかなって心配しています。それと、もし注射や縫合に耐えられなかった場合、押さえつけるスタッフが今居ないんです。」
私「そうですか。では、別をあたります。」
 
 
全く傷も見ずにあれこれ言う看護師に内心ムッとしながら息子のほうを見ると、今のやりとりを聞いてさっきまでの元気はどこへやら。S病院を出てからも「ねぇ、縫うの?」「ねぇ、麻酔するの?」と心配してそればかり聞いてきます。私も傷をまだ見ていないので、「いやー、もう痛くないんでしょ?多分大丈夫だと思うけど、ちゃんとみてもらおうね」としか言えず、紹介された次の病院へ行きました。ところが次のY医院で指のガーゼを外し傷を見たとき、ちょっとクラっときました。「ああこりゃダメだ。何針だ?」と。
 
 
息子の傷は深さはさほどではないものの、アルファベットのY字のように切れていて、しかも傷の先が裂けていました。ガーゼを外し水で洗うと血が溢れてきて、そのときにはもう息子の我慢も限界。「痛い、痛い」とめそめそ泣き始めました。そして追い打ちをかけたのがそこの先生。
 
「これは縫わなきゃだめだね・・でも、8歳でしょう?ちょっと痛みに耐えられるかわかんないなぁ。小さな子どもの縫合は、それこそす巻き状態にして何人もで押さえつけてやらないと大変なことになるから・・」
 
もう息子、泣くことをやめません。そりゃ怖いだろう。赤ちゃんじゃないんだもの、先生の言っている意味はわかる。痛いし、怖いし、逃げたい。
 
 
結局その後、大きな病院の救急へ行くことになりました。
 
救急での息子は、泣き疲れてもうぐったり。状態を聞かれ、レントゲンを撮り、先生と話をしているうちに「縫う」という事実をどうにか受け容れてベッドに寝そべりました。
 
救急の先生はさすがにプロで、子どもを怖がらせる言い方は一切しません。
 
痛み止めをつけるときには、
「これね、おまじないのゼリー。これで麻酔も痛くなくなるよ」
 
麻酔の前には、
「これね、麻酔の注射なんだけど、これをすると縫うの痛くなくなるんだ。この注射はちょっと痛いんだけど、我慢してやってみようか」
 
縫っているときには、
「すごいすごい。もう2か所も終わっちゃったよ。すごいね。お友達に自慢出来るね」
 
息子の様子を見て、時に休憩しながら、あっという間に処置を終えました。
 
 
息子は傷口に太い麻酔の注射をうちました。ものすごく痛かったと思います。実際大きな声で「痛いー!痛いー!」と泣きました。でも逃げませんでした。その前2つの病院で言われたように大勢のスタッフに押さえつけられることもなく、看護師さんに足だけ押さえてもらい、私の手を握った以外は傷のある手を動かすことなく我慢して、大人でも辛い注射を終えることが出来ました。先生の子どもへの対応の上手さはもちろんですが、息子よく頑張ったなと思います。
 
 
Y医院で最初にガーゼを取るとき、息子は看護師さんに小さな声で
 
「やさしくしてください・・」
 
と言いました。それを聞いたとき、「痛くない」と言っていたのは嘘で、本当は切った後からずっと痛かったんだなと気付きました。それほどまでに怖かったのに、最後まで我慢することが出来た息子を誉めてあげたい。いや、そもそもうっかり転んだのは息子なわけで、本当に世話の焼ける子なんだけれど、それでも偉かった。人一倍小さくていつも心配ばかりしていたけれど、こんなすごいことを頑張れるお兄ちゃんになったのだなぁと泣けてきました。
 
 
 
そして・・・。
 
 
忘れていた訳ではなかったのだけれど、夫も仕事後まっすぐ病院へ来てしまったので結果的に19時近くまで一人で留守番することになった娘。弟の心配はもちろんしていたものの、その後の母への当たりは厳しかった(笑)「私は一人で3時間以上待っていた」「お陰でお菓子を食べ過ぎた」「一人で昼寝して起きてもまだ一人だった。すんごい淋しかった」云々(笑)。ねちねちねちと今も言われ続けています。ごめんよぉ~、悪かったよぉ。
 
 
今日のこと。元気になった息子に娘が何か頼んで、「いや今僕、これだから」と包帯を巻いた指をぴーんと立てて断りました。すると娘がキレて、「はぁ?自分でやったくせにバカじゃないの。私なんかね、暗い中一人で待ってて淋しかったんだから!」と喧嘩が始まる始末・・。
 
 
ああ、まったく。そんなことで喧嘩すんなよと思いつつ。
 
賑やかな家の中、やっぱりこうでなくちゃ、みんな元気でなくちゃとしみじみ思った次第です。
 
 
 
 

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