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おいしい台所

きょうも台所にいます。

ワラの匂い~松野屋のワラ鍋敷き

台所道具 旧ブログから

2014100301

 

先月実家に帰ったとき、実家の周りにある

田んぼでは調度稲刈りを終えたところで

あちこちにワラが束ねられていました。

 

実りの秋。この光景を見ると、

田んぼに走って行って、両手一杯に

ワラを抱えたくなります。

 

 

 

私が小学校低学年まで住んでいたところでは

近くに大きな空地があって、その周囲を

ぐるりと田んぼが囲んでいました。

 

田んぼの周囲には小さな川が流れていて、

春になればカエルの卵を、夏にはカマキリを、

秋にはイナゴを追いかけて、

一日中田んぼの周りで遊んでいました。

 

中でも一番楽しかったのは、稲刈り後の田んぼ。

山積みになったワラを両手一杯に抱え、

四角く仕切りを作って重ねて、お家ごっこをするのです。

 

「ここがわたしのおへやね。」

「ここが、おべんじょね。」

 

なんて言いながら、幼馴染のお友達と

ワラにまみれて日暮れまで遊びました。

ワラの匂いが大好きで、湿ったワラでも

お構いなしに抱えていたので、帰る時には

服も体も泥だらけ。

 

それでもちっとも母は怒らなかったっけ。

 

 

そんな思い出があるから、今でも

田んぼのワラを見ると、何やらうずうず

してしまうんですね。

 

 

 

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だから、というわけではないのですが、

この鍋敷きが大好きで、鍋敷きならば

木のものも布のものもいくつか持っているのに

いつも手に取ってしまいます。

 

そう、この鍋敷きワラで出来ているんですよ。

 

 

この鍋敷きは「ワラ釜敷き」と呼ばれるもので、

新潟県佐渡島で、お米を取った後のワラで

作られています。

職人さんが自分の手足を使って作った

この釜敷き、いくつかの工程に分けてしっかり、

きっちりと編み上げられており、網目は美しいし

本当に丈夫なんです。

 

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触ると、あのふわっとしたワラが想像

出来ないくらい固く、鉄瓶でも土鍋でも

どっしりと受け止めてくれます。

なのに素朴で可愛い。

 

稲ワラが、こんな素敵なものに変身するなんて。

職人さんてすごいなと思います。

 

 

東京は日暮里の、松野屋さんで買いました。

買ってからずいぶん経つので、もうさすがに

しないかなーと思いつつ、鼻に近づけてみました。

鍋の鉄っぽい匂いにまじって、ちゃんとワラの

匂いがしましたよ。

 

 

 

そういえば今頃、実家の周りの稲ワラは

何度かの雨と日差しをあびて

独特の湿った匂いをさせているんだろうな。

 

 

 

あの懐かしい匂いを。