読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おいしい台所

きょうも台所にいます。

お彼岸とおはぎ

食と記憶

20140919

お彼岸ですね。

昨日、近所のさちこおばあちゃんから、

手作りの山盛りおはぎが届きました。

お彼岸には春と秋がありますが、このときに

お供えするのがぼた餅とおはぎ。

どちらも同じものですが、春には牡丹の花に

かけて「ぼたもち」、秋には萩の花にかけて

「おはぎ」と呼ばれているのだそうです。

豊作への祈りや感謝を込めて備えるとか、

あずきが邪気を払うとか、色々いわれはありますが

この黒くて丸くてやわらかいおはぎを見ると

ああお彼岸なんだなと思います。

私の父は、私の娘が生まれる2年前に亡くなりました。

だから娘も息子も、実物のじじを知りません。

娘や息子にとっては仏壇の中で微笑むじじ、

お墓の中で眠るじじ、そして私や母が伝えるじじが

じじなのです。

子ども達は生まれてから毎年春と秋のお彼岸、

そしてお盆と命日にはお墓参りを一緒にしてきました。

遊びの延長のようでもありますが、

お墓参りの仕方、ご先祖様へのありがとうの気持ちは、

当たり前のように身についてきているのでは

ないかなと思います。

今年のお盆だったか。

実家からの帰りに、娘がぼそっと言いました。

「生きてるじじに、会いたかったな。」

いや、参りました。

涙必死でこらえました。

子ども達に本当に会いたかったのはじじで。

本当に会わせたかったのは私で。

もし生きていたらきっと、それこそ目に入れ

ちゃうんじゃないかと思うくらい可愛がっただろう父。

そんな嬉しいことを言ってくれる娘に

父は空の上できっと喜んでいるだろう、そして

「生まれる前にいっちゃってごめんな」と

父だったらきっと言っているだろうと思って

ちょっと切なくなってしまったのでした。

毎年毎年訪れるお墓の前で、子ども達は

子ども達なりに、何かを感じているんですね。

さちこおばあちゃんのおはぎは、新米のもち米。

ふっくらと美味しかったです。

美味しくって調子に乗った娘が2つ目に手を出し、

案の定残した残りを食べるはめになった私は

計1.5個のおはぎでお腹パンパンになりましたけど。

いつの間にやら蝉の声もしなくなって

夜には虫の声が。

もう秋なんですね。