おいしい台所

ほどほど家事で、おいしい暮らしを。きょうも台所にいます。

愛情を伝える力がハンパない。お弁当の本

20140626

「461個の弁当は、親父と息子の男の約束」渡辺俊美

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父から息子への愛情を、いつも弁当が運んでくれた。

二日酔いの朝も、早出の朝も…弁当慣れしない父が、

毎朝高校生の息子につくった弁当461食!

無骨だけど愛情たっぷり!涙と笑いのお弁当エッセイ。

Amazon HPより)

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まず、欠かすことなくお弁当を作り続けたことがすごいのですが、

そのお弁当の中身が本当に美味しそうでびっくりします。

これが、お父さんが作ったお弁当なんて。

◎例えばある日のお弁当

 豚ロースとししとうのしょうが焼き

 ゆでブロッコリー プチトマト

 塩鮭焼き 桜えびちりめん入り卵焼き

 きのこの混ぜご飯

 梅の実ひじき

◎例えばある日のお弁当

 鶏むね肉とうずら卵の甘醤油煮

 ほうれん草のごま和え

 ゆでブロッコリー プチトマト

 味ごまひじき入り卵焼き 塩鮭焼き

 赤しそ入りごま塩 梅干し ご飯

毎回お弁当に入っている、卵焼き・ブロッコリ・プチトマトという

レギュラーメンバーはあるのですが、時には季節を感じられる

食材を使い、時にはダイエット中の息子の体を気遣う量や内容で、

毎日毎日丁寧に、愛情溢れるお弁当を、

著者は楽しみながら作っている。

もうこうなると、お弁当はお腹を満たすだけのものではなくて

父と息子の会話なんですね。特に、父からの。

毎日毎日、父親からのメッセージを息子はかみしめる。

毎日のことだから、「今日のお弁当はこれとこれが美味しかった」

なんて言葉を毎日は返せないんでしょうが、息子はちゃんと

受け取っている。

コンビニのパンやおにぎりでは絶対に得られないもの。

それが、息子登生君の体と心を、作っていったんですね。

そういえば私にも、お弁当に関する思い出があります。

中学の頃、テニス部の試合に母がお弁当を作ってくれたのに、

大雨で中止になって友達の家でお弁当を食べたことがありました。

友達の部屋でお弁当を開いたら、大雨がカバンの中の

お弁当にまで達していて、おにぎりも雨でぐしゃぐしゃ。

あーあ、もう食べられないね。と友達に言われたものの、

雨に濡れたおにぎりを見たら切なくて仕方なくなった。

お母さんがせっかく私の試合の為に作ってくれたのに。ごめんなさい。

母の気持ちが伝わってきて、私は雨に濡れたおにぎりを

口に放り込んだのでした。

お弁当って、愛情を伝える力がハンパない。

これは絶対だと思うんです。

それは不思議と自分に作るお弁当も同じで、

自分の為にきちんと作ったお弁当は

自分を元気にしてくれる。そんな気がします。

本の最後に登生君からお父さんへの手紙が出てきます。

お父さんのお弁当と同じ、温かいメッセージで、ホロリときます。

明日からお弁当を作ろう、というやる気が

もりもり湧いてくる本です。

461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

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